FX基礎知識

FXの【レバレッジ】とは?FXのレバレッジは手元にある資金以上の取引が可能になる

FXは、少額の資金からでも取引できます。

なぜなら、FXでは「レバレッジ」をかけて取引が可能だからです。

FXでは、FX証券会社を通して取引をおこないます。

そのため、元の資金を担保にすると証券会社からお金を借りて、元資金以上の資金でFX取引が可能です。

「レバレッジ」には、具体的にどのような効果があるのでしょうか。

今回は、FXの「レバレッジ」について解説していきます。

「レバレッジ」は手元にある資金以上の取引が可能

FXでは、元の資金を担保にして証券会社からお金を借りて取引が可能です。

FXでは、元資金の何倍もの資金で取引することを「レバレッジ」といいます。

レバレッジは、証券会社を登録するときに設定が可能です。

たとえば、10万円を担保として10倍のレバレッジをかけた場合は、100万円分で取引が可能です。

そのため、レバレッジをかけると少額の資金でもFX取引をおこなえます。

加えて、レバレッジをかけて損失になっても、担保以上の損失を背負うことはありません。

なぜなら、担保としている資金と取引中の損失額が同じになると、強制ロスカットが発動するからです。

強制ロスカットとは?

強制ロスカットは、運用している資金に損失額が達してしまうとき、証券会社から損失を確定される制度です。

強制ロスカットがある理由は、レバレッジをかけている資金も損失になる可能性もあります。

そのため、証券会社の損失にならないために「強制ロスカット」制度が備え付けられているのです。

FXでは「レバレッジ」がかけられるため、少額からでもFX取引が可能と覚えておきましょう。

「最大レバレッジ」は国内証券会社と海外証券会社で異なる

レバレッジは、国内証券会社と海外証券会社で最大のレバレッジ倍数が決められています。

そのため、使用するFX証券会社のレバレッジ倍数を確認しておきましょう。

国内証券会社と海外証券会社の最大レバレッジは、以下の通りです。

証券会社
レバレッジ
国内証券会社
最大25倍
海外証券会社
最大888倍

海外証券会社は、数百倍のレバレッジをかけて取引が可能です。

そのため、国内証券会社より少額の資金でFX取引がおこなえます。

FX取引をおこなうときは、証券会社のレバレッジ倍数を確認してから登録を検討しましょう。

「レバレッジ」はFXの口座を登録するときに設定する

レバレッジは、証券会社を登録するときに倍数を設定します。

たとえば、国内証券会社では証券会社によって「レバレッジ1倍〜25倍」で設定可能です。

国内証券会社のレバレッジ設定例

資金を5万円入金して10倍のレバレッジを設定した場合は、50万分の取引をおこなえます。

計算式は「50,000×10=500,000」です。

加えて、海外証券会社では「レバレッジ1倍〜888倍」で設定が可能です。

海外証券会社のレバレッジ設定例

資金を5万円入金して888倍のレバレッジを設定した場合は「44,400,000分」の取引をおこなえます。

計算式は「50,000×888=44,400,000」です。

FX証券会社を登録するときは、設定するレバレッジを事前に考えてから登録を検討しましょう。

「レバレッジ」の計算方法は現在の為替レートも必要

レバレッジを計算するときは、現在の為替レートも関わってきます。

そのため、レバレッジを計算するときは現在の為替レートも確認しておきましょう。

レバレッジの計算式は、以下の通りです。

レバレッジ=(現在の為替レート×取引数量)÷有効証拠金

レバレッジ11倍=(USD/JPY110×取引数量10,000通貨)÷100,000円

「有効証拠金」は、口座残高に「含み損と含み益」を加えた残高です。

そのため、FXの取引中は損益によっても変動します。

レバレッジを計算するときは、有効証拠金も確認してから計算をおこないましょう。

「含み損と含み益」に関しては、以下の記事で解説しています。

FXの【含み損・含み益】とは?含み損を持ち続けると損失する危険度が上がってしまう?FX取引は、未確定の保有ポジションがある状態は「含み」の言葉が使用されます。 未確定の取引は、取引終了しない限り変動する可能性があるからです。 FXの取引開始直後では、FXの証券会社へ手数料を支払ってから取引をおこないます。 そのため、含み損の状態から取引をおこなわなければいけません。 そして、予測と同じ方向に数値が動いていくと、含み益の状態になります。 含み益の状態で取引を確定すると、含み益分の金額が利益です。 当記事では、「含み益」「含み損」の意味について解説していきます。...

FX取引でレバレッジをかけるメリット2つ

レバレッジをかけるメリットは、元の資金以上で取引が可能なだけではありません。

レバレッジをかけるメリットは、主に2つあります。

FX取引でレバレッジをかけるメリットは、以下の通りです。

  • レバレッジをかけると効率良く利益を得られる
  • レバレッジを1倍に設定するとレバレッジなしで取引可能

「レバレッジ」をかけると効率よく利益を得られる

レバレッジは、元の資金より多い資金で取引が可能です。

そのため、効率よく利益を得られます。

たとえば、証拠金10万円でUSD/JPY110円の数値だった場合で解説していきます。

Aさんは、レバレッジ10倍をかけて1万ドルを買いで取引。

Bさんは、レバレッジなし(1倍)で1,000ドルを買いで取引。

そして、為替の変動によりUSD/JPYの数値が「1ドル/120円」になったとします。

「1ドル/120円」になった場合は「1万ドル=120万円」になり「1,000ドル=12万円」です。

Aさんは、1万ドルを取引に使用しているため利益は「10万円」

Bさんは、1,000ドルを取引に使用しているため利益は「1万円」となります。

上記の例では、レバレッジをかけて取引したAさんが利益を獲得できています。

効率よく利益を得るためには、レバレッジの設定を検討しましょう。

「レバレッジ1倍」に設定するとレバレッジなしで取引可能

FXでは、レバレッジの設定を1倍に設定可能な証券会社もあります。

そのため、レバレッジ1倍で設定するとレバレッジをかけていない状態で取引可能です。

しかし、レバレッジなしの場合は充分な資金が必要になります。

なぜなら、資金が少ない場合は取引数量(Lot数)を上げて取引ができないからです。

FX取引では、資金に対して数量を決めて取引します。

そのため、資金が少ない場合は数量を上げることができません。

FX取引は、資金が多いほど取引数量も上げられると覚えておきましょう。

取引数量(Lot)の内容は、以下の記事で解説しています。

ロット アイキャッチ
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資金が少額の場合は、レバレッジをかけて取引を検討しましょう。

「レバレッジ」をかける時の注意点とデメリット3つ

レバレッジには、デメリットがあります。

なぜなら、元の資金以上の金額で取引をおこなえるからです。

元の資金以上で取引とは、本来の損失額と利益額は異なります。

そのため、レバレッジをかけている場合は、元の資金の損失額と利益額ではないと認識しておきましょう。

レバレッジを設定するときは、以下2つのデメリットに注意して設定をおこないましょう。

  • レバレッジをかけると損失額も増える可能性がある
  • レバレッジを高く設定すると強制ロスカットのリスクも高くなる
  • 証拠金が増えるとレバレッジ制限をかけられてしまう

「レバレッジ」をかけると損失額も増える可能性がある

レバレッジをかけて取引する場合は、損失になる金額も増える可能性があります。

なぜなら、レバレッジをかけると取引可能な「取引数量(Lot数)」が増えるからです。

取引数量は、多ければ多いほど変動する損益額も大幅に変動します。

損失のリスクを抑える場合は、取引数量を下げて取引をおこないましょう。

国内証券会社の取引数量は、以下の通りです。

証券会社名 取引単位
DMM FX
1万通貨
GMOクリック証券
1万通貨
LIGHT FX
1,000通貨
みんなのFX
1,000通貨
SBI FXトレード
1通貨

「レバレッジ」を高く設定すると強制ロスカットの可能性も上昇してしまう

FXでは、レバレッジをかけると取引数量(Lot数)を増やして取引が可能です。

しかし、レバレッジをかけて取引数量を増やした場合は、取引中の損失額も大幅に変動する可能性があります。

損失額も大幅に変動するのは「強制ロスカット」対象になる可能性も上昇してしまいます。

そのため、レバレッジをかけて取引するときは取引数量の(Lot数)に注意して取引をおこないましょう。

FX取引では、損失が拡大する前に損切りをおこなって、損失拡大を防げます。

強制ロスカットを防ぐためには、損切りも検討しましょう。

損切りに関しては、以下の記事で解説しています。

FXの【損切り】とは?損切りの意味と役割について解説FX取引では、損失の状態で決済することを損切りといいます。 そのため、損切りをおこなう場合は損失分の金額が残高から引かれます。 ...

証拠金が増えると「レバレッジ制限」をかけられてしまう

FXでは、入金している証拠金が増えるとレバレッジ制限をかけられてしまう場合があります。

たとえば、海外の証券会社XM tradingでは、レバレッジ最大888倍です。

しかし、XM tradingのレバレッジは、以下の通りに設定されています。

残高が約200万円(2万ドル)以下は、レバレッジ最大888倍

残高が約200万円(2万ドル)以上は、レバレッジ最大200倍に制限

残高が約1,000万円(10万ドル)以上は、レバレッジ100倍に制限

レバレッジ制限は、最大のレバレッジをかけて取引をおこなえなくなります。

レバレッジ制限の基準は、証券会社によってことなるため利用する証券会社のレバレッジ制限を確認しておきましょう。

FXを開始する前に「レバレッジ」を設定する方法2つ

レバレッジは、FXを開始する前に設定をおこないます。

そのため、どのように設定が可能なのか覚えておきましょう。

以下では、レバレッジの設定方法を2つ紹介します。

レバレッジの設定方法は、以下の通りです。

  • 資金に合わせてレバレッジを設定する
  • 少額の資金で最大のレバレッジを設定する

資金に合わせて自身で「レバレッジ」を設定する

レバレッジは、自身の資金に合わせてレバレッジ設定が可能です。

たとえば、USD/JPYが「1ドル=100円」で500万円の資金を準備できる場合は「5万ドル分」の取引をおこなえます。

そのため、最低取引数量が「1Lot=1,000通貨単位」の証券会社では、充分にFX取引が可能です。

加えて、500万円を担保としてレバレッジを10倍かけた場合は「5,000万円分」の取引をおこなえます。

そして<b「5,000万円」は、ドルに換算すると「50万ドル」です。

「50万ドル分」で取引する場合は「1Lot=10,000通貨単位」の証券会社でも、充分にFX取引をおこなえます。

レバレッジは、資金に合わせて設定できるため事前にレバレッジをどれくらいかけるか検討しましょう。

少額の資金で「最大のレバレッジ」を設定する

FXは、少額の資金でレバレッジをかけて取引をおこなえます。

そのため、準備できる資金が少額の場合は、最大のレバレッジをかけると充分にFX取引が可能です。

たとえば、海外証券会社へ1万円入金してレバレッジ888倍かけたとします。

レバレッジ888倍の場合は、888万円分の取引が可能です。

ただ、取引数量を高く設定して取引をおこなう場合は、損失額も増える可能性があります。

レバレッジをかける場合は、取引数量に注意しましょう。

加えて、FXは強制ロスカット制度があるため資金以上の損失になりません。

そのため、1万円の資金で最大のレバレッジをかけて取引をおこなっていても、損失になる金額は1万円です。

しかし、証券会社へ入金している資金がゼロになってしまった場合は、追加入金しなければ取引をおこなえません。

取引を継続する場合は、資金の追加入金を検討しましょう。

まとめ

今回は、FXの「レバレッジ」について解説しました。

今回の記事をまとめると、以下になります。

まとめ
  • レバレッジをかけると元の資金以上の取引が可能
  • 最大レバレッジは国内と海外の証券会社によって異なる
  • レバレッジをかけると効率よく利益を得られる
  • レバレッジをかけると損失額が増えるリスクも発生してしまう
  • レバレッジは資金に合わせて事前に設定が可能

レバレッジは、FX取引で利益を得るために必要な1つの仕組みです。

ただ、レバレッジは効率よく利益を得られる可能性もあれば、損失額が増える可能性も発生します。

少額から取引をおこなう場合は、レバレッジの設定を事前に決めて取引をおこないましょう。