FX過去の暴落・暴騰

【FX暴落・暴騰】世界的に震撼があったFXの大損事例2016年〜2018年版

世界の経済的問題は、金融市場に大幅な影響を与えます。

そのため、FX取引をおこなう場合世界の経済状況を把握しながら、取引しなければなりません。

近年では「グローバル化」が進んでいます。

「グローバル化」は、社会的な問題や、経済的な問題を世界規模で国同士の関係が深まる意味です。

世界規模で関係が深まっているため、1カ国で起きた経済的な問題も世界に広がっていきます。

今回の記事では、2016年から2018年の暴落と冒頭の事例を解説していきます。

2016年〜2018年以前に起きた世界の暴落・暴騰

最初に、2016年以前はどのような暴落・暴騰があったのか知る必要があります。

2016年以前は、2010年に欧州「ユーロ危機」が起きました。

加えて、2012年にはスペインの不動産バブル崩壊による「スペイン危機」が起きています。

しかし「ユーロ危機」や「スペイン危機」は、2008年に起きた「リーマンショック」によって起こった経済危機です。

そのため、2016年以前ではどのような「暴落・暴騰」が起きたのか、把握しておきましょう。

「ユーロ危機」や「スペイン危機」は、以下の記事で解説しています。

【FX暴落・暴騰】世界的に震撼があったFXの大損事例2010年〜2015年版FX(外国為替証拠金取引)は、さまざまな国同士の通貨を交換しておこなう取引です。 たとえば、USD/JPYは「米国ドルと日本円」で...

2016年から2018年に起きた「暴落・暴騰」は、主に以下の4つです。

  • 世界同時株安
  • ブレグジット
  • トランプショック
  • トルコショック

グローバル化が進み「世界同時株安」が起きる

近年では、「グローバル化」が進んでいます。

「グローバル化」は、主要国を中心に国同士の結びつきが深まっている意味です。

たとえば、日本で着られている洋服は、中国の工場で生産されている洋服もあります。

つまり、上記の日本と中国の関係も「グローバル化」です。

そのため、ある国でリスクが上昇すると、株価市場や金融市場にも影響を与えます。

「世界同時株安は、グローバル化が進んでいるため世界的に影響を与えてしまうのです。

「グローバル化」にはメリットとデメリットがある

グローバル化は、国同士の繋がりが深くなるため大幅に影響を与えます。

そのため、国にとってメリットもあれば、デメリットも発生します。

グローバル化には、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

グローバル化のメリットは、以下の通りです。

生産性が向上する 「分業」が進展して、別の国で生産活動が可能になる。
技術・文化が発展する 技術的な知識などが、国境を超えて活用できるようになる。
経済の問題が解決する 金融危機や閑居問題を国同士が強力して解決に導ける。

グローバル化のデメリットは、以下の通りです。

産業が空洞化する 国内の生産拠点が減少してしまう。
雇用の損失が起きる 生産拠点が減少するため、雇用者も減少する。
文化の衝突が起きる 他国の文化も交流するため、他国の文化が侵食するとデメリットとなる。

グローバル化は、上記のように国によってメリットもあれば、デメリットも発生しています。

たとえば、マレーシアは東南アジアに位置しています。

しかし、ヨーロッパの各国が貿易や布教活動の拠点をマレーシアに選んだのです。

そのため、ヨーロッパの文化などもマレーシアに根付いていきます。

文化は、国によって異なるためすぐに受け入れられない文化も存在します。

しかし、グローバル化を進めていくためには、他国の文化を受け入れる柔軟性をもつ必要があるかもしれません。

2015年5月中国株の下落によって世界同時株安が起きる

引用元:Google Finance

2015年5月は、中国株式のバブルが引き金となり中国株が暴落します。

そして、中国株の暴落によって「世界同時株安」に繋がっていくのです。

中国株の暴落が起きる前には、個人投資家が巨額の株式投資をおこなっていました。

そのため、株バブルが膨らんでいくのです。

加えて、中国政府が株価の買い煽りをして一般の投資家も株を買います。

しかし、投資家は株価が上昇していくことに不安を抱きました。

なぜなら、株価市場は加熱して上昇を続けると、急に下落しても不思議ではないからです。

そして、2015年6月に突如、中国の株式市場は急落してしまいます。

その結果中国は、経済を安定させるために、保有していた日本株などを売って資金を確保しなければいけません。

中国は、経済的にも発展しており、世界2位の大国となっていたため、世界的に株価が下落していきます。

2015年に起きた「世界同時株安」は、中国によって起きた「世界同時株安」です。

2016年2月ユーロ圏にある銀行の経営不安により世界同時株安が起きる

2016年2月の「世界同時株安」は、欧州にある銀行の経営不安が原因で起きてしまいます。

欧州中央銀行(ECB)は、2014年6月に「マイナス金利政策」を導入していました。

マイナス金利政策とは?

マイナス金利政策とは、経済活性化とデフレ脱却を目指す政策です。

民間の金融期間が中央銀行に預けている預金金利をマイナスにする意味を持ちます。

中央銀行は、金融機関が金利を支払うようにするために、投資に資金を回すように促すのです。

欧州の銀行は、中央銀行から預けたお金から金利を徴収していたのです。

しかし、多くの銀行は新しい金融商品などを用いて、資産運用の収益を高めようとしていました。

そのため、中国の懸念などによって市場が想定以上に混乱してしまいます。

そして、大手銀行の利払いが困難になってしまう噂が出回ってしまうのです。

上記の噂が出回ったため、欧州銀行株の売りが高まってしまいます。

加えて、米国の経済指標も悪化していたため、世界的に株価が下落する「世界同時株安」と繋がっていくのです。

2016年6月にイギリスの欧州連合(EU)離脱「ブレグジット」が起きる

イギリスは、区民投票によって2016年6月に欧州連合(EU)の離脱が決定します。

「ブレグジット(Brexit)」とは、イギリスが欧州連合離脱を意味し、「Britishとexit」の造語です。

為替市場は、イギリスがEU離脱を決定したため、英ポンドが「1ポンド=1.2101ドル」過去最低を記録しました。

加えて、対ユーロでは「1ポンド=1.0881ユーロ」まで下落し、対円では「1ポンド=128円台」まで変動したのです。

ただ、イギリスの欧州連合離脱は3度も延期されます。

イギリスは、なぜEUを離脱するに至ったのか、なぜ3度も延期されたのかを解説していきます。

2013年に国民投票が首相デビッド・キャメロンから公約されていた

当時のイギリス第75代首相デビッド・キャメロンは、2013年1月に選挙で勝利し政権続投が決まります。

加えて、政権続投が決まったときにEU離脱を問う国民投票をすると公約したのです。

そして、2016年6月23日は欧州連合(EU)離脱の国民投票がおこなわれます。

国民投票の結果、離脱支持が51.9%と半数を上回ったのです。

そのため、イギリスの欧州連合(EU)の離脱が決定します。

国民投票を公約したキャメロン首相は、残留派を率いていました。

しかし、離脱支持が半数を上回ったため、辞意を表明します。

そして、キャメロン首相が辞めたため、テリーザ・メイ氏が第76代首相を務めます。

グローバル化から取り残された層がEU離脱を支持する

2016年におこなわれた国民投票は、残留派離脱派によって投票がおこなわれます。

EUの離脱を支持したのは、グローバル化から取り残された層が離脱を支持したのです。

EU離脱の支持者は、主に以下の支持者です。

  • イギリス独立党の支持者
  • EUの規制に反発する中小企業経営者
  • イングランド北部の工業地帯労働者など

加えて離脱派は、国民医療サービスの予算増加や、ヨーロッパ外の諸国と経済的な関係を築くことを訴え、支持を集めました。

加えて、離脱派は2つのグループを寄せ集めて離脱派といいます。

1つ目は、イギリス独立党系のグループ「反グローバル化派」です。

「反グローバル化」は、移民への反対意見を前面に押し出していました。

2つ目は、保守党系のグループ「ウルトラグローバル化派」です。

「ウルトラグローバル化派」は、EUの規制に批判的なグループでした。

当時は「反グローバル化派」と「ウルトラグローバル化派」の協力は、むずかしいと思われていました。

しかし、離脱派は「移民問題」に焦点を絞ったことで協力が成立したのです。

2017年3月から離脱交渉がおこなわれる

2017年3月では、イギリスがEU基本条約(リスボン条約)第50条にもとづいて、離脱意思を通告を受けます。

そして、2年間にわたって離脱交渉がおこなわれました。

離脱交渉の内容は、主に以下の2つです。

離脱条件についての交渉 イギリスのEU離脱後にイギリスに住んでいるEU市民と、EUに居住するイギリス市民の法的地位をめぐる問題。
離脱後の関係や移行期間の交渉 イギリスは、2020年までの歳出計画に合意しています。

そのため、離脱後も予算分担金の支払い義務があるため、離脱後の移行期間の交渉をしなければいけません。

加えて離脱後のEUとの関係は、主に以下3つの可能性があります。

  • ヨーロッパ経済領域型(ノルウェー)
  • 二国間協定型(スイス、カナダ)
  • WTO型(世界貿易期間)

そのため、多国籍企業は交渉結果によってイギリスからヨーロッパ諸国に、拠点を移さなければならない可能性もありました。

もし拠点を移した場合は、イギリス経済へ深刻な打撃になる可能性も予想されたのです。

2020年1月31日イギリスは正式にEUを離脱する

イギリスは、2020年1月31日正式にEU離脱を表明しました。

法案は、2020年1月23日にエリザベス女王の裁可を受けて成立します。

そして、1月24日にイギリスとEU双方の首脳陣は、EU離脱協定への証明をおこないました。

2019年から2020年までの推移は、以下の通りです。

2019年10月2日 政府は、EU離脱の条件に関する最終提案の内容を公表。

しかし、北アイルランドだけ実質的にEU関税同盟に残ることになります。

そのため、北アイルランドが地盤の民主統一党(DUP)の強い反発を呼んだのです。

2019年10月19日 超党派の議員が「離脱関連法が成立するまで離脱合意案の採決を保留する」という動議を提出します。

採決の結果、賛成322票反対306票で可決されました。
そのため、離脱合意案の採決は先送りされたのです。

2019年10月22日 EU離脱関連法案の賛否が審議されます。

審議の結果、賛成329票反対299票で可決されました。

加えて、イギリスの第77代首相のボリス・ジョンションが離脱関連法を成立させるために「議事進行動議」が提出されます。

しかし、賛成308票反対322票で否決されました。

2019年10月28日 EU各国は、同国のEU離脱期間を最長で2020年1月まで延期すると決定します。
2019年10月29日 ジョンソン首相は、総選挙を12月12日におこなう特例法案を提出します。
2019年12月12日 総選挙では、保守党が365議席を獲得し圧勝します。
労働党は、203議席だったため惨敗したのです。そのため、2020年1月EU離脱が決定的なものとなりました。

2016年金融市場に「トランプショック」が起きる

2016年に起きた「トランプショック」は、米国大統領選挙でドナルド・トランプ候補が勝利して起きた金融市場の混乱です。

または、大統領就任後の政策が世界経済に影響を与えることを意味します。

米国大統領選挙は「民主党のヒラリー・クリントン候補」「共和党ドナルド・トランプ候補」の2名によっておこなわれました。

米国大統領選挙の結果は、ヒラリー・クリントン候補232票、ドナルド・トランプ候補306票の結果となりました。

投票の結果、ドナルド・トランプ候補が勝利したのです。

しかし、なぜドナルド・トランプ候補が勝利したことによって、金融市場は混乱に陥ったのでしょうか。

以下では、ドナルド・トランプ候補が勝利したことによって起きた「トランプショック」について解説していきます。

ドナルド・トランプ氏が優勢で日経平均株価は下落に向かう

米国大統領選挙では、ドナルド・トランプ候補が優勢日経平均株価下落に向かいます。

2016年11月8日は、米国大統領選挙がおこなわれました。

そして、11月9日午前8時に米国大統領選挙の開票がおこなわれます。

開票の速報では、クリントン候補が優勢で日経平均株価一時250円上昇しました。

しかし、午前10時半頃にフロリダ州の開票では、ドナルド・トランプ候補が優勢だと伝えられたのです。

そのため、投資家の予想と違った開票結果となり、日経平均株価下落していきます。

さらに、オハイオ州でもドナルド・トランプ候補の開票結果が優勢と伝えられます。

そして午前11時半では、日経平均株価のが500円まで下落し、午後2時すぎでは1000円下落したのです。

米国大統領選挙は、開票の結果ドナルド・トランプ候補が勝利します。

下落した日経平均株価が買われ1,100円以上も値上がりする

引用元:Google Finance

米国大統領選挙では、ドナルド・トランプ氏が勝利し、日経平均株価下落に向かいました。

しかし、ドナルド・トランプ候補の勝利から一夜開けた2016年11月10日では、予想外の結果となるのです。

なぜかというと、下落した日経平均株価買い注文が殺到します。

そのため、日経平均株価一時1,100円以上も値上がりしたのです。

日経平均株価は、2016年最大の上げ幅となりました。

加えて、ドナルド・トランプ候補の勝利演説でも株価市場にも大幅に影響を与えました。

ドナルド・トランプ候補が勝利演説で話した内容は、「私のことを支持しない方々にも、この国の統合に向けて助力いただけるようアプローチしていきます。」と演説しました。

上記の演説によって、日経平均株価上昇していくのです。

為替市場も円高から円安に進む

為替市場は、ドナルド・トランプ候補の勝利によって大幅に変動しました。

米国大統領選挙の開票速報では、ドル円相場は一時101円まで円高が進みます。

米国大統領選挙中の為替市場の流れは、以下の通りです。

2016年11月9日
午前9時半すぎ
激戦州の1つ、フロリダ州開票結果では「トランプ優勢」になります。

そのため、ドル円相場は一時「1ドル=104円台半ば」まで円高が進みました。

2016年11月9日
午前11時すぎ
ドル円相場は、一時「1ドル=103円前半」まで急速に円高が進みます。
2016年11月9日
午前11時半すぎ
ドル円相場は、テキサス州でトランプ氏が勝利したと伝わると、一時「1ドル=102円」まで円高が進みます。
2016年11月9日
午後12時半すぎ
ドル円相場は、「101.19円」まで円高が進みます。

外国為替市場は、1ヶ月ぶりの高値となりました。

2016年11月9日
午後2時すぎ
ドル円相場は、「100円台目前」の状態になります。

午後2時すぎの時点では、トランプ氏の当選確率は95%以上になっていたと伝えられたのです。

ドナルド・トランプ大統領は、株価市場に加えて金融市場にも世界的に影響を与えました。

そのため、為替市場も大幅に円高に進み、下落していったのです。

2018年8月にトルコリラ暴落による「トルコショック」が起きる

2018年8月10日に起きた「トルコショック」とは、トルコ共和国の通貨「リラ」の暴落です。

2018年8月では、トルコ在住の「米国人牧師の拘束問題」がありました。

そのため、トルコと米国の対立が激化していったのです。

そして、トルコは米国人牧師を解放しませんでした。

そのため、米トランプ政権トルコへの制裁を発動します。

以下では、米トランプ政権が発動した制裁と「リラ」はなぜ買われたのかについて解説していきます。

トランプ大統領はトルコからの輸入関税を2倍に引き上げることを承認

米トランプ政権は、トルコからの輸入関税を引き上げることを承認します。

輸入関税では、以下2つの関税引き上げが警告されました。

  • アルミニウム20%
  • 鉄鋼50%

トランプ大統領は、Twitterで以下の通りツイートをおこなっています。

「トルコリラがわれわれの非常に強いドルに対し急落していることを受け、たった今、トルコに関して鉄鋼とアルミニウム関税を倍に引き上げることを承認した。」

「関税率はアルミニウムが20%、鉄鋼が50%となる。われわれのトルコとの関係は現在は良くない。」

そして、ホワイトハウスは、通商拡大法232条にもとづいてアルミニウムと鉄鋼の関税引き上げを承認したと表明したのです。

トルコリラは、制裁の発動によって一時前日比20%急落しました。

さらに、経常赤字を抱えるアルゼンチンペソも急落し、イタリアやスペインの株価も13日かけて急落したのです。

トルコは為替介入の余力が乏しかったのも1つの原因

トルコでは、経常赤字国だったため、為替介入の余力がありませんでした。

そのため、為替介入の余力も通貨安を加速させた1つの原因です。

加えて、通貨の急落は対外債務返済の障害となります。

対外債務とは?

対外債務とは、政府や民間企業などが、金融機関に対して負担する債務です。

債務を返済できない場合は、経済にも大幅な影響を与えてしまいます。

そのため、対外債務の懸念も広がり悪循環を招く恐れがあったのです。

トルコの金融政策「正常化」が発表されリラの買いがおこなわれる

2020年11月19日は、トルコ中央銀行が「金融政策決定会合」開きます。

「金融政策決定会合」では、主要な政策金利を4.75%引き上げ年15%にすると決定したのです。

そのため、トルコの金融政策が「正常化」すると期待が広がっていきます。

そして、トルコの通貨「リラ」への買い注文がおこなわれ一時2.5%上昇していくのです。

まとめ

今回は、2016年から2018年に世界的に影響を与えた「暴落・暴騰」の事例を解説しました。

今回の記事をまとめると、以下の通りです。

まとめ
  • グローバル化が進み「世界同時株安」が起こりやすくなった
  • イギリスが欧州連合(EU)を離脱したため英ポンドが下落する
  • 米国大統領選挙でトランプ氏が勝利しドル円相場は円高に向かった
  • トルコショックは金融政策「正常化」によって「リラ」が買われた