FX取引では、為替を分析する際に「ローソク足」を使用します。
ローソク足は、FX以外に株や仮想通貨などにも使用されています。
そのため、ローソク足を見たことがある方も多いでしょう。
為替分析では、なぜローソク足が使用されるのかというと、一目で複数の情報がローソク足から得られるからです。
今回は、ローソク足の意味と動きのパターンについて解説していきます。
▼Contents
ローソク足は時間設定で視覚的に数値が把握できる
結論からいうと、ローソク足の時間を設定すると時間ごとの数値が把握できます。
ローソク足は「1分」「5分」「15分」「30分」「1時間」「1日」など細かい時間で設定できます。
たとえば「1分足」では、1分間に変動した数値がローソク足で把握可能です。
FX取引では、取引に使用する通貨の数値を把握しなければいけません。
そのため、時間ごとに数値がどれくらい変動したかを把握する必要があります。
ローソク足で把握できる情報は、以下の通りです。
- 始値(はじめね)
- 終値(おわりね)
- 高値(たかね)
- 安値(やすね)
上記の内容は、ローソク足1本から得られる情報です。
ローソク足では、時間ごとに変動した数値が把握できます。
ローソク足を時間設定したときの呼び方は、以下の通りです。
ローソク足の時間 | 呼び方 | 英語表記 |
---|---|---|
1分 | 1分足(いっぷんあし) | M1 |
5分 | 5分足(ごふんあし) | M5 |
15分 | 15分足(じゅうごふんあし) | M15 |
30分 | 30分足(さんじゅっぷんあし) | M30 |
1時間 | 1時間足(いちじかんあし) | H1 |
4時間 | 4時間足(よじかんあし) | H4 |
1日 | 日足(ひあし) | D1 |
1週間 | 週足(しゅうあし) | W1 |
1か月 | 月足(つきあし) | MN |
ローソク足は「実体・上ヒゲ・下ヒゲ」3つが組み合わせられた形
ローソク足は、大きく分けて3つで構成されていて、1つの形で表示されています。
以下の画像に、ローソク足の部分的な名前を記載してみました。
上記の画像は、ローソク足1本の形です。
ローソク足は為替相場の数値と連動しているため、上昇するとローソク足も上に伸びて、下落するとローソク足も下に伸びていきます。
そして、設定した時間ごとにローソク足が切り替わって「始値」からローソク足が表示されていきます。
ローソク足の「実体・上ヒゲ・下ヒゲ」の意味は、以下の通りです。
実体 | 始値と終値を囲んだ部分。 |
---|---|
上ヒゲ | 上昇したあとに下落したことを示している。 |
下ヒゲ | 下落したあとに上昇したことを示している。 |
ローソク足の「陽線は上昇」を示して「陰線は下降」を示す
FX取引などの為替相場は、上昇と下降を繰り返します。
ローソク足を同じ色で表示していると、上昇と下降がわかりません。
そのため、ローソク足は一般的に「赤色は陽線」「青色は陰線」として使用されています。
ローソク足が陽線と陰線に分けられるため、始値と終値の位置が変わります。
始値と終値を間違えないように注意しましょう。
ローソク足の陽線と陰線の始値と終値の位置は、以下の通りです。
ローソク足は基本的に9種類の形に分けられる
ローソク足の形は、9種類に分けられます。
なぜ、ローソク足は9種類の形に分けられるのでしょうか。
9種類に分けられる理由は、ローソク足の形によって為替相場の分析が可能だからです。
基本的な9種類のローソク足は、以下の通りです。
ローソク足 | 意味 |
---|---|
大陽線 | 実体部分が大きい陽線。買いの勢いが続くローソク足。 |
小陽線 | 大陽線に比べて実体部分が小さい。買いに傾いているローソク足。 |
上ヒゲ陽線 | 上ヒゲが長く実体が下にある陽線。安値に動く示唆。 |
下ヒゲ陽線 | 下ヒゲが長く実体が上にある陽線。買いが強くなる示唆。 |
大陰線 | 実体部分が大きい陰線。売りの勢いが続くローソク足。 |
小陰線 | 大陰線に比べて実体部分が小さい。売りに傾いているローソク足。 |
上ヒゲ陰線 | 上ヒゲが長く実体が下にある陰線。安値に動く示唆。 |
下ヒゲ陰線 | 下ヒゲが長く実体が上にある陰線。買いが強くなる示唆。 |
十字線 | 始値と終値がまったく同じ数値で実体がない形をしている。相場転換を示唆。 |
ローソク足チャートは「バーチャート」に切り替えも可能
FX取引では、基本的に「ローソクの形」をしたチャート使用します。
しかし「バーチャート」に切り替えも可能です。
「バーチャート」は、高値と安値を結んだ棒足を示します。
始値が左側に表示されており、終値が右側に表示したチャートです。
「ローソク足」と「バーチャート」を以下で比べてみました。
「バーチャート」は、3本値(高値・安値・終値)の3本で表示されています。
加えて、欧米で主流に使用されているチャートです。
チャートを使用した分析方法は、変わらないため見やすいチャートの利用を検討しましょう。
そして、FXでは為替チャートを使用してテクニカル分析が可能です。
テクニカル分析は、以下の記事で解説しています。
チャート分析では、テクニカル分析を使用しましょう。
ローソク足を見る時のポイントは主に3つ
FXでは、取引をおこなう際にチャートの分析は必要不可欠です。
分析をおこなうためには、ローソク足の見るポイントを覚えておきましょう。
実際に分析をするときに、ローソク足の見る時のポイントを解説します。
ローソク足を見る時のポイントは、以下の3つです。
- ローソク足には上昇を示すローソク足の形がある。
- ローソク足には下落を示すローソク足の形がある。
- ローソク足にはトレンド転換を示すローソク足の形がある。
ローソク足には上昇を示すローソク足の形がある
ローソク足には、上昇サインのローソク足の形があります。
ローソク足は、ローソク足の形で上昇サインのローソク足だと判断が可能です。
ただ、ローソク足で上昇サインだとしても、下落方向に動く可能性もあります。
ローソク足の形は、必ず上昇する形ではありません。
そのため、下落する可能性も踏まえた上で判断をしましょう。
上昇を示すローソク足の形は、以下の通りです。
ローソク足 | 意味 |
---|---|
陰の寄付き坊主 |
ローソク足の下部分のヒゲは、最後に買いが入ったことを示しています。
そのため次のローソク足は、上昇(陽線が表示)する可能性があります。 |
下ヒゲ陽線 | 下部分に表示されているヒゲが長い陽線。
一時上昇したが、買い戻しされて始値より高い価格で終わったことを意味します。 価格は、上昇する可能性があります。 |
下ヒゲ陰線 | 下部分に表示されているヒゲが長い陰線。
一時下降したが、買いが強くなったため下部分のヒゲが長くなっている陰線。 |
陽の丸坊主 | 上ヒゲも下ヒゲも表示されていない陽線。
ヒゲの表示がないため、今後相場はさらに上昇する可能性があります。 |
陽の大引け坊主 | 上ヒゲのない陽線。
下部分に表示されているヒゲは、一度下降したが上昇してヒゲが表示されている状態。 今後相場は、さらに上昇する可能性があります。 |
ローソク足には下落を示すローソク足の形がある
ローソク足には、下落を示すローソク足の形があります。
ローソク足は、形で覚えておくと下落サインのローソク足だと判断が可能です。
ただ、上昇を示すローソク足の形と同じように、下落サインだとしても上昇する可能性もあります。
そのため、上昇する可能性も踏まえた上で判断をしましょう。
下落しを示すローソク足の形は、以下の通りです。
ローソク足 | 意味 |
---|---|
陰の大引け坊主 | 下ヒゲのない陰線。
始値から買いが先行、しかし押し戻されて安値と終値が同じになった状態。 下降が強いローソク足のこと。 |
陽の寄付き坊主 | 下ヒゲのない陽線。
買いが先行、しかし最終的に売りが先行している状態。 次のローソク足では下降(陰線)から始まる可能性があります。 |
上ヒゲ陽線 | 大幅に上昇したが、終値が始値より高い状態。
下降している途中で終値に達したローソク足。 |
上ヒゲ陰線 | 大幅に上昇したが、下降して上部分にヒゲが表示されている陰線。
上昇より下降が強いローソク足。 |
ローソク足の「不連続線(窓)」とは重なっていないローソク足を意味する
ローソク足の表示には、「不連続線(窓)」が起こる場合があります。
連続しているローソク足の間に空間が生じるため、通称「窓」と呼ばれています。
「不連続線(窓)」とは、並んでいるローソク足との間に空間が生まれる現象です。
「不連続線(窓)」が起きたときは、相場転換の可能性があります。
以下の画像では、陽線が連続して発生しています。
赤い丸で示している部分が「不連続線(窓)」です。
上記の画像は、「不連続線(窓)」が発生したあとに相場の転換が発生している相場の動きです。
「不連続線(窓)」が発生した場合は、以下2つの相場転換が起こる可能性があります。
「不連続線(窓)」が陽線の後に生じた場合の解説をします。
基本的に「窓」が発生後の2本目のローソク足で陰線が伸びて下落を示す形です。
「不連続線(窓)」が陰線の後に生じた場合の解説をします。
基本的に「窓」が発生後の2本目のローソク足で陽線が伸びて上昇を示す形です。
相場の転換を見極めるときは、「不連続線(窓)」も相場転換のサインとして検討しましょう。
ローソク足の「連続線」とは重なっているローソク足を意味する
ローソク足が連続して表示されている場合、「連続線」と呼びます。
ローソク足は、基本的にローソク足とローソク足の空間は生じません。
そのため、前述した「不連続線(窓)」は、頻繁に発生しないです。
しかし、連続しているローソク足の位置関係からもチャート分析できます。
加えて「連続線」は、ローソク足の位置関係が複数あります。
そのため、3つに分けて解説していきます。
解説する「連続線」は、以下の3つです。
- 連続線の「はらみ線」とは陽線がおさまっている形
- 連続線の「つつみ線」とは陽線がおさまっている形
- 連続線の「かぶせ線」とは上昇する力を上から抑え込んでいる形
連続線の「はらみ線」とは1本目のローソク足が2本目を包む形
連続線の「はらみ線」とは、1本目のローソク足が2本目のローソク足を包む形です。
以下の画像の赤い丸で示している部分が「はらみ線」を示しています。
「はらみ線」は、相場の転換を示す指標です。
上記の画像で示している右側の「はらみ線」が起きる前は、ローソク足が上昇しています。
しかし「はらみ線」が起きてから、相場が下落している状態です。
「はらみ線」が起きたポイントで「売り」で取引をおこなった場合は、利益となっていたことが分析できます。
「はらみ線」が起きた場合でも、必ず相場が転換する現象ではありません。
1つの指標として、「はらみ線」を活用しましょう。
連続線の「つつみ線」とは小さなローソク足のあとに大きなローソク足が続く形
連続線の「つつみ線」とは、最新のローソク足が1つ前のローソク足の高値と安値を包みこんでいる形です。
以下の画像の黄色の丸で示している部分が「つつみ線」です。
「つつみ線」は「はらみ線」と同じように、相場転換の指標として活用されます。
上記の画像では「つつみ線」が発生する前は、下降している状態です。
しかし「つつみ線」が起きたあとは、相場が上昇しています。
「つつみ線」が起きたときは「買い」で取引をおこなうと利益になっていたことが分析できます。
「つつみ線」は、相場転換の1つの指標として、活用しましょう。
連続線の「かぶせ線」とは上昇する力を上から抑え込んでいる形
連続線の「かぶせ線」とは、陽線の終値の次に表示される陰線が、陽線の中心を超える形を「かぶせ線」といいます。
以下の画像では、白い丸で示している部分が「かぶせ線」です。
上記の画像では、陰線が陽線の中心を超えて伸びていることがわかります。
「かぶせ線」が起きた場合は、相場が下落する可能性がある指標です。
上記の画像からでは、実際に相場が下降に向かっていることが分析できます。
「かぶせ線」が起きたときに、「売り」で取引をおこなった場合は、下降した分の利益獲得が可能です。
「かぶせ線」も1つの指標として、活用しましょう。
ローソク足を問題形式で理解しよう
ローソク足には、さまざまな形があります。
そのため、1つずつ名前を覚える必要があります。
形で覚えるためには、1つずつ問題形式で工夫しながらローソク足を覚えましょう。
例として、以下4つのローソク足で問題を作成しました。
以下の1~4のローソク足は、以下のA~Dのどれに当てはまるでしょうか。
- A.買いに傾いている可能性のあるローソク足。
- B.売りの勢いが続く可能性のあるローソク足。
- C.買いが強くなる可能性のあるローソク足。
- D.上昇、下落のどちらでもないローソク足
問題 |
---|
1.大陰線 |
2.十字線 |
3.小陽線 |
4.下ヒゲ陰線 |
ローソク足の問題答え合わせ
前述したローソク足の問題の答え合わせです。
1~4のローソク足は、以下のA~Dに当てはまります。
問題 | 答え |
---|---|
1.大陰線 |
B.売りの勢いが続く可能性があるローソク足。 |
2.十字線 |
D.上昇、下落のどちらでもないローソク足。 |
3.小陽線 |
A.買いに傾いている可能性があるローソク足。 |
4.下ヒゲ陰線 |
C.買いが強くなる可能性のあるローソク足。 |
ローソク足には、ローソク足の形によって傾向が変わります。
ローソク足の傾向は、主に以下の3つです。
- 買いが強くなる可能性のあるローソク足。
- 売りが強くなる可能性のあるローソク足。
- 買い、売りどちちの傾向もないローソク足。
複数のローソク足の形があるため、これからFX取引の検討をされている方は、形からローソク足の意味を覚えましょう。
まとめ
今回は、FX取引の分析をおこなうために使用する「ローソク足」について解説しました。
今回の記事をまとめると、以下になります。
- ローソク足は一目で複数の情報が得られる。
- ローソク足は「実体・上ヒゲ・下ヒゲ」3つが組み合わせられた形。
- ローソク足には上昇、下落を示唆するローソク足がある。
- ローソク足を1本ではなく、2本で見て予測する。
- ローソク足を問題形式で理解する。
為替相場を分析するためには、ローソク足やチャートは必要不可欠です。
ローソク足やチャートの見方が理解できていなければ、上昇・下落のどちらを示しているかの分析が出来ません。
為替相場を分析をおこなうときは、ローソク足の理解を深めていきましょう。