FX取引では、現時点での価格で新規注文・決済だけでなく、あらかじめ予約して注文・決済を行うことが可能です。
この制度を利用することで、自身が為替相場を見れない時でも取引を行うことができます。
今回の記事では、FX取引で事前に価格を指定して注文を行える「指値注文」「逆指値注文」について解説します。
▼Contents
FXの指値注文とは
FX取引における「指値注文」とはあらかじめレートを指定して、希望レートに到達した時に自動的に注文が行われる注文方法です。
例えば現在のレートが、米ドル/円106円だとします。
米ドル/円レートが105円になったときに新規注文を行いたい場合、指値注文を利用することで自動的に注文が行えます。
また、米ドル/円107円になったら売るという指値注文を行うことも可能です。
指値注文は基本的に自身にとって、今より有利な注文をしたい時に使える注文方法です。
指値注文の特徴2つ
- 相場を常に監視する必要がない
- 注文は滑りにくいが約定しない可能性もある
FX取引における指値注文は、予約注文となるため相場を常に監視する必要がありません。
また、注文のズレであるスリッページが起こりにくいメリットがありますが、約定しない可能性もあります。
では指値注文の特徴について、次の項目で具体的に解説します。
相場を常に監視する必要がない
指値注文のメリットの1つに、相場を常に監視する必要がない点が挙げられます。
指値注文は希望レートに到達すると、自動的に新規注文・決済を行います。
例えば、米ドル/円105円のレートで注文を行いたい場合、成行注文であれば105円のレートに到達するまでチャートを見続けることが必要です。
しかし指値注文を行うことで、チャート画面を閉じていても自動的に注文を行えるため、「日中はチャートをあまり見れない」人でも取引に参加することができます。
注文は滑りにくいが約定しない可能性がある
指値注文の特徴の一つに、注文が滑りにくいことがあります。
指値注文は値段・為替レートを指定して注文を出すため、成行注文と比べると希望レートで取引を行いやすいです。
しかし現在レートと指値注文で出している希望レートが離れ過ぎていると、希望レートに到達するまで約定しないデメリットもあります。
また、大きな経済指標やニュースなどで為替レートが一時的に大きく動くときは、指値注文を利用していても約定しづらい事もあります。
指値注文はズレが少ないので希望レートで取引しやすいですが、為替レートが一時的に大きく動いた場合や希望レートが離れていると約定しない可能性もあることは頭に入れておきましょう。
指値注文を利用する際は経済指標・ニュースを要チェックし、希望レートを現在レートに離し過ぎず利用しましょう。
FXの逆指値注文とは
FX取引における「逆指値注文」とは、指値注文と同じく自身で指定した希望レートで予約注文を行える注文方法です。
逆指値注文は「現在レートより下がったら売る」または「現在レートより上がったら買う」という注文方法で、今より不利なレートで注文を行います。
逆指値注文はトレンドフォローの注文機能でもあります。
上記の画像で説明すると、為替相場のトレンドを読み上昇トレンドの局面に入ったと考えた場合、105円のところで逆指値注文を入れておきます。
予想通り相場が105円まで到達すると、逆指値注文が成立する形です。
この注文方法は、仕事などでこまめに為替相場をチェックできない時などに用いられます。
つまり、逆指値注文を利用することでトレンドを見逃さず、トレンドフォローで利益を狙うことが可能なのです。
逆指値注文の特徴2つ
- 損失の広がりを防げる
- 指値注文と同じく約定しない可能性もある
逆指値注文はトレンドフォローの利用以外にも、損失の広がりを防ぐ役割もあります。
また指値注文と同じく約定しない可能性もあるため、利用する際は注意が必要な注文方法です。
逆指値注文についての特徴を次の項目で詳しく解説します。
損失の広がりを防げる
FX取引の逆指値注文は、損失の広がりを防ぐことに用いることも可能です。ストップロス注文とも呼ばれています。
上記で説明すると米ドル/円107円で買ったものの、その後価格が下がり105円まで下がったら諦めて売り決済を行いたい場合に逆指値注文を利用します。
成行注文であれば相場を常にチェックし、105円に到達した時点で自身で売り注文を出す出すことが必要です。
しかし常に相場の監視をできない人にとっては、事前に損失を限定させることが可能なためおすすめできる注文方法です。
指値注文と同じく約定しない可能性もある
逆指値注文は基本的に希望レートに到達したときに約定する注文方法ですが、指値注文と同じく約定しない可能性もあります。
〇〇ショックや経済指標などで大きな価格変動があった場合、相場が急激に動くため逆指値注文が機能せず損失が広がることがあります。
逆指値注文は損失を防ぐことのできる注文方法ですが、急激な変動により大きな損失に繋がることもあるため、注文を行う際はハイリスクな注文を行わないようにしましょう。
まとめ
- 相場を常に監視しなくていい
- 逆指値注文は損失の広がりを防げる
- 約定しない可能性もある
最後に指値・逆指値注文についてまとめます。
指値・逆指値注文ともに事前に予約注文を行うため、常に相場の確認をする必要がありません。
そのため日中に為替チャートを見ることができなくても、指値・逆指値注文を利用することで取引に参加できます。
また逆指値注文は損失を限定することもできるため、初心者にとってはおすすめできる注文方法でしょう。
しかし大きな価格変動を起こした場合は、注文が機能しない可能性もあるためハイリスクな注文は行わないようにする必要があります。
指値・逆指値注文を覚えると大変便利なため、使いこなして安全なFX取引を行いましょう。