FXは、国同士の通貨を交換する取引です。
そして、通貨の価値は国の経済状況によって決められています。
たとえば、日本で経済成長が発表された場合は、日本円の価値が上昇する仕組みです。
逆に、日本で経済的な問題が起きた場合は、日本円の価値が下がる仕組みとなります。
FX取引では、国の経済状況をファンダメンタルズ分析を使用して分析可能です。
ファンダメンタルズ分析は、どのような分析方法なのか解説していきます。
▼Contents
FXの「ファンダメンタルズ分析」とは各国の経済状況に合わせた分析方法
ファンダメンタルズ分析とは、通貨ペアに関係性のある国の経済状況を把握して分析をおこなう方法です。
各国では、国の経済データが定期的に発表されます。
そのため、ファンダメンタルズ分析は国の経済データから為替相場を予測する分析方法です。
経済データとは?
経済データとは「経済成長率・物価上昇率・財政支出など」です。
ファンダメンタルズは、上記3つの言葉を示す「経済用語」となります。
たとえば、経済成長率が上昇した場合は、国自体成長している状態です。
そのため、国の通貨も上昇すると分析できます。
加えて、ファンダメンタルズ分析は「政治・金融政策」も含まれます。
そのため、政治家の発言や金融政策も為替相場に、影響を与えると覚えておきましょう。
そして、FXで使用する為替市場は、2カ国間で交換可能な通貨の価値を表しています。
そのため、国で経済的な問題が起きた場合は通貨の価値は変動します。
たとえば、USD/JPYの通貨は「アメリカドル(USD)と日本円(JPY)」を表している通貨ペアです。
アメリカで経済的な問題が起きた場合は、アメリカドルを交換するために必要な日本円は少なくなります。
なぜなら、アメリカドルの価値は下降し、日本円の価値は上昇するからです。
逆に、アメリカで経済成長率が上昇した場合は、アメリカドルを交換するために必要な日本円は多くなります。
なぜなら、アメリカドルの価値は上昇し、日本円の価値は下降するからです。
ファンダメンタルズ分析は、各国の経済状況を分析する方法と覚えておきましょう。
以下では、ファンダメンタルズ分析の方法を解説していきます。
「ファンダメンタルズ分析」の方法は主に4つ
ファンダメンタルズ分析は、主に4つの分析方法があります。
そのため、ファンダメンタルズ分析で可能な分析方法を覚えておきましょう。
ファンダメンタルズ分析の方法は、以下の4つです。
- 経済指標
- 金融政策
- 要人発言
- 地政学的リスク
「経済指標」は国の政府や中央銀行が発表する経済データ
「経済指標」は、国の政府や中央銀行が発表する経済データです。
ファンダメンタルズ分析では、主に経済指標を見て分析されます。
たとえば「景気動向指数・GDP・株価指数・失業率など」は経済指標に含まれます。
経済指標は、あらかじめ決められた日程に、発表される情報です。
そのため、経済指標の発表前や発表後は、大幅に値動きする可能性があります。
加えて、経済指標は経済指標カレンダーで把握可能です。
以下の画像は、Yahoo!ファイナンスの経済指標カレンダーです。
引用元:Yahoo!ファイナンス
経済指標カレンダーは「経済指標名・重要度・発表後値動きの予想・影響のある通貨ペア」を把握可能です。
そのため、FXで取引している通貨ペアの経済指標に注目しましょう。
加えて、経済指標カレンダーはさまざまなサイトで閲覧できます。
主に利用されている経済指標カレンダーは、以下の通りです。
経済指標カレンダー |
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「金融政策」は政策金利の動向によって分析可能
為替相場は「金融政策」によっても変動します。
「金融政策」とは?
金融政策とは、中央銀行が通貨の流通を調整するための政策です。
金融政策は、主に以下の2種類に分けられます。
- 「金融緩和」
- 「金融引き締め」
金融緩和政策と金融引き締めの役割は、主に以下の通りです。
金融緩和政策 | 金融緩和政策は、景気が悪化したときなどに国の政策として金利を下げる意味があります。
加えて、金融緩和政策は投資や消費などの経済活動を促す政策です。 金利が下がった場合は、金融機関は低い金利で資金の調達が可能です。 そのため、企業などは設備資金や運営に必要な資金を調達しやすくなります。 金利の引き下げによって調達した資金は、主に経済活動に使用されます。 経済活動に使用された場合は、お金の流通に繋がる仕組みです。 |
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金融引き締め | 金融引き締めは、中央銀行が物価を安定させるために、景気の加熱を防ぐ金融政策です。
つまり、金融引き締めは金融緩和政策とは逆の政策です。 そのため、金融引き締めは金融市場に流れるお金を減らして、金利を上昇させます。 景気が上昇した場合は、金融引き締めによって景気の加熱が抑えられます。 |
金融政策は、主に国の景気に対しておこなわれる政策です。
そのため、FX取引では金融政策によって経済状況の分析が可能だと覚えておきましょう。
「要人発言」は金融政策に影響を与える人物
「要人発言」の要人とは、国の経済政策をおこなっている関係者です。
そのため、経済政策に関係のある人の発言で、為替相場は変動する可能性があります。
注目すべき要人発言は、主に以下の通りです。
各国中央銀行当局者 | 日本銀行総裁、副総裁 |
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経済閣僚 | 財務大臣
財務長官 |
経済状況は、誰から発言されたかによって異なります。
なぜなら、経済政策に関係のない方の発言は信頼性がないからです。
そのため、経済政策に関わりのある方の発言は、為替相場に影響を与えます。
たとえば、テレビに出演している専門家は経済政策に関わりはありません。
専門家の発言は、あくまで予測になります。
国の経済状況は、誰から発言されている情報か注目しましょう。
「地政学的リスク」は国に対する不安による経済的影響
「地政学的リスク」は、紛争や諸国間でのトラブルを意味します。
諸国間のトラブルは、国民が国に対しての不満です。
そのため、国に対して不安がある場合は経済的に不安定と判断されます。
たとえば、過去の事例では2001年に起きた米国同時多発テロです。
米国同時多発テロは、反米を掲げるテロ組織「アルカイダ」によって起こされました。
加えて、米国同時多発テロでは「1ドル=120円から115円まで下落」して為替相場にも影響を与えています。
為替相場に影響を与えた内容は、別の記事で詳しく解説しています。
過去の地政学的リスクは、どのような内容か把握しておきましょう。
「ファンダメンタルズ分析」を使用する時の注意点4つ
ファンダメンタルズ分析を利用するときは、主に4つの注意点があります。
そのため、ファンダメンタルズ分析を使用する前に注意点を覚えておきましょう。
ファンダメンタルズ分析の注意点は、以下の通りです。
- ファンダメンタルズ分析は短期的なトレードに向いていない
- 為替相場に影響が出ない場合もある
- 売買のタイミングを明確に分析できない
- テクニカル分析と合わせて分析可能
「ファンダメンタルズ分析」は短期的なトレードに向いていない
ファンダメンタル分析は、短期的なトレードに向いていません。
なぜなら、経済的な問題はすぐに改善されないためです。
経済指標は、主に景気動向指数や失業率が発表されます。
経済指標発表直後は、為替相場も大幅に変動する可能性があります。
しかし、発表された経済指標に対しての政策は時間をかけておこなわれるのです。
金融政策などは、政策が発表されてから国民や企業などが政策に合わせて動きます。
そのため、金融政策は国や企業の動きによって変化していくのです。
上記の内容からでは、ファンダメンタルズ分析は長期的なトレードに向いていると判断できます。
ファンダメンタルズ分析を使用するときは、長期的なトレードを検討しましょう。
為替相場に影響が出ない場合もある
経済指標や金融政策は、為替相場に影響が出ない場合もあります。
なぜなら、為替相場に直接的に影響を与えるのは一部だからです。
経済指標では、指標に対して重要度が決められています。
そのため、重要度が低い場合は為替相場に影響を与えにくいと判断可能です。
引用元:みんかぶFX
ただ、重要度が高くても為替相場に影響を与えない場合もあります。
しかし、過去に大幅に変動した同じ指標は次回の指標も大幅に動く可能性があります。
過去の変動幅は「前回ドル円変動幅」などで把握可能です。
ファンダメンタルズ分析をおこなうときは、過去の指標で変動した幅も把握しておきましょう。
売買のタイミングを明確に分析できない
ファンダメンタルズ分析は、売買のタイミングを明確に分析できません。
なぜなら、国の経済状況は国民や企業によって経済変化を与えるからです。
国や企業の動きは、1日で変化を与えない可能性があります。
そのため、売買のタイミングも明確に分析ができません。
加えて、経済指標の予測も必ず予測通りに変動するとは限りません。
そのため、逆方向に変動する可能性も踏まえた上で、取引が必要です。
ファンダメンタルズ分析は、現在の政策によって為替相場に影響を与えます。
そのため、ファンダメンタルズ分析では売買のタイミングを明確に分析できないと、覚えておきましょう。
テクニカル分析と合わせて分析可能
ファンダメンタルズ分析は、テクニカル分析と合わせて分析可能です。
テクニカル分析は、為替チャートを見て分析をおこないます。
そのため、ファンダメンタルズ分析で得た情報と、為替チャートを見て分析が可能です。
たとえば、経済指標が発表されたあとは、為替チャートで変動幅を確認できます。
そのため、経済指標が発表されたあとに為替チャートに動きがあった場合は、為替相場に影響のある指標だったと分析も可能です。
経済指標の発表は、為替チャートで把握可能と覚えておきましょう。
テクニカル分析に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
「ファンダメンタルズ分析」が可能な国内証券会社
国内証券会社では、国内証券会社から経済指標などの情報が得られます。
なぜなら、国内証券会社に経済指標など把握可能なサービスが備え付けられているからです。
ファンダメンタルズ分析が可能な国内証券会社は、主に以下3つです。
- 外為どっとコム
- FXプライムbyGMO
- LINE FX
「外為どっとコム」では経済指標カレンダーが備え付けられている
外為どっとコムでは、公式サイトで経済指標カレンダーや経済ニュースが把握できます。
そのため、他の経済サイトを見なくても外為どっとコムで経済状況が把握可能です。
加えて、外為どっとコムでは独自の情報ツールも利用できます。
独自ツールでは、テクニカル分析も可能です。
外為どっとコムを利用するときは、経済指標カレンダーと独自ツールを活用しましょう。
外為どっとコムの詳細は、以下の記事で解説しています。
「FXプライムbyGMO」ではプロによるマーケット情報が無料で見られる
FXプライムbyGMOでは、プロによるマーケット情報が無料で見られます。
マーケット情報では、主に「戦略・レポート・経済指標など」さまざまな情報を取得可能です。
そのため、FXプライムbyGMOは情報収集に向いている会社と言われています。
FXプライムbyGMOを利用するときは、マーケット情報を活用しましょう。
FXプライムbyGMOの詳細は、以下の記事で解説しています。
「LINE FX」ではLINEの通知で経済情報の受け取り可能
LINE FXでは、通知で経済情報の受け取りが可能です。
そのため、チャットアプリのLINEと連携して経済情報を把握可能です。
LINE FXで得られる情報は、主に以下の通りです。
- 経済指標の通知
- 約定の通知
- 入金完了の通知
- 維持率に関する通知
- ロスカット通知
LINE FXでは、経済指標の通知以外にFX取引に関する通知も受け取りできます。
LINE FXを利用する際は、チャットアプリのLINEと連携をおこなっておきましょう。
LINE FXの詳細は、以下の記事で解説しています。
まとめ
今回は、FXの分析方法の1つ「ファンダメンタルズ分析」について解説しました。
今回の記事をまとめると、以下の通りです。
- ファンダメンタルズ分析は各国の経済状況に合わせた分析方法
- ファンダメンタルズ分析は主に4つの分析方法に分類される
- ファンダメンタルズ分析は短期的なトレードに向いていない
- 為替相場に影響が出ない経済指標などもある
- 経済ニュースを見られる国内証券会社が存在する
FXでは、為替チャートから分析するテクニカル分析と、経済状況から分析可能なファンダメンタルズ分析が可能です。
しかし、分析方法は異なってくるため、どのような分析か事前に把握しておきましょう。