FX取引を行なっていると、「証拠金」という言葉をよく見かけると思います。
FXにおいて証拠金は、重要な仕組みの一つなので理解しておく必要があります。
証拠金の仕組みを理解し、投資効率を向上させましょう。今回の記事ではFXの証拠金に関して解説します。
▼Contents
FXの証拠金とは
FXの証拠金とは、FX取引を行う際に必要な担保のことを指します。
FXは、取引に応じて担保である証拠金の金額が変動するのが特徴です。しかし、大きな損失を受けた際は追加の支払いが必要な場合もあるため注意が必要です。
また証拠金にも種類があります。証拠金の仕組みを知ることでリスクコントロールができ、今後の取引をより良くすることが出来ますよ。
ではFXにおける証拠金とはどんなものがあるのでしょうか?次の項目で解説します。
必要証拠金とは取引・注文する際に最低限必要な資金
FXにおける必要証拠金とは、新規取引・注文の際にFX会社に最低限預けないといけない金額を指します。
現在のFXでは、個人取引で4%以上の資金を預け入れる必要があります。
しかしFXには、少ない資金で手元の金額以上の取引を可能とする「レバレッジ」という制度が存在し、レバレッジを用いることで4%の少ない資金で取引が可能となります。
米ドル/円=100円・10万円分の取引を行う場合 | |
---|---|
レバレッジ1倍 | 10万円の資金が必要 |
レバレッジ10倍 | 1万円の資金が必要 |
レバレッジ25倍 | 4,000円の資金が必要 |
上記のようにレバレッジのかけ方によって必要証拠金は変わります。例えば米ドル/円100円の時に10万円分の取引をしたい場合は、レバレッジ25倍だと4,000円という少ない資金で取引が可能です。
日本国内でのレバレッジは最大25倍までですが、この制度を使うことで少ない資金でも大きな取引ができます。
しかし、レバレッジを用いた取引はあくまでも前借りをしている状態です。不足している金額分は、のちに決済する必要があるため注意が必要です。
取引額(10万円)・レバレッジ(25倍)の場合
取引額(10万円)÷レバレッジ(25倍)=必要証拠金(4,000円)
有効証拠金とは取引の際に利用可能な資金
FXにおける有効証拠金とは、証拠金と含み損益を合わせた金額のことを指します。
例えば証拠金が10万円・含み益が6万円の場合、有効証拠金は16万円となります。逆に含み損が4万円の場合は、有効証拠金が6万円です。
有効証拠金は含み損益を加えて計算する証拠金のため、為替相場の変動に合わせて証拠金も変動します。
有効証拠金は証拠金維持率を計算する際に、必要になるため計算方法は覚えておきましょう。
証拠金 +/− 含み損益=有効証拠金
FXの証拠金維持率を計算して強制ロスカット対策する
- 証拠金維持率の計算方法
- FX会社ごとに異なるロスカット水準を把握しよう
「証拠金維持率」とはポジションを持った際に、必要証拠金に対する純資産がどれほどあるかを数値化したものです。
この数値を把握しておくことで、安全か危険かを知ることができます。
また強制ロスカット水準はFX会社によって異なるため、事前に把握する必要があります。
証拠金維持率はFX取引をするにあたり自身で把握する必要がありますが、どのように計算するのでしょうか?次の項目で解説します。
ロスカットとはポジション保有時に、FX会社ごとに決められたある一定のライン以上に損失が出た時に、強制的にポジションを決済するシステムのことを言います。
証拠金維持率の計算方法
純資産÷必要証拠金×100(%)=証拠金維持率
FXにおける証拠金維持率の計算方法は上記になります。
例えば純資産が50万円と仮定し、20万円の必要証拠金で取引するとします。
その場合、50万円÷20万円×100=250%となります。証拠金維持率は高ければ高いほど安全ラインとなるため、自身の現状を把握するためにも証拠金維持率の計算方法は覚えておきましょう。
また証拠金維持率が低くなり、FX会社で決められているロスカットラインを超えてしまうと強制ロスカットになるので気をつけましょう。
では、FX会社のロスカットラインはどれくらいのラインになるのでしょうか。
FX会社ごとに異なるロスカット水準を把握しよう
FX会社 | ロスカットライン |
---|---|
GMOクリック証券 | 証拠金維持率が50%以下で決済 |
外貨ex byGMO | 証拠金維持率が50%以下で決済 |
DMM FX | 証拠金維持率が60%以下で決済 |
LINE証券 | 証拠金維持率が100%以下で決済 |
みんなのFX | 証拠金維持率が100%以下で決済 |
上記の内容は主要FX会社のロスカットラインとなります。証拠金維持率が記載している数値以下になると、強制的にロスカットが行われます。
ロスカット水準が低いメリットは、急な短期的な為替相場の変化を受けにくいことです。しかしロスカット水準が低いと、自身で損切りを行う判断が必要となります。
逆にロスカット水準が高いと、現状の相場は下がっていて後からV字で戻ると予想してもロスカットラインに触れしまい強制ロスカットになることもあります。
FXを始めたばかりの初心者は、損切りの判断を行うことが苦手な傾向にあるため、損切り判断が自身でできない人はロスカットラインの高いFX会社を選択すると良いでしょう。
まとめ
最後にFXの証拠金についてまとめます。
- 証拠金とは取引を行う際の担保
- 必要証拠金とは最低限必要な資金
- 有効証拠金とは利用可能な資金
- 証拠金維持率を維持してロスカットを回避できる
証拠金とは、FX取引を行う際の担保を指すものです。
証拠金には必要証拠金・有効証拠金と種類があり、それぞれ取引の際の計算に必要になるため覚える必要があります。
必要証拠金とは取引に最低限必要な資金です。有効証拠金は取引の際に利用可能な資金のことを指します。
取引を行い、自身の取引が安全なラインにいるか確認するために証拠金維持率の把握も必要となります。
FX会社によってはロスカット水準は変わりますが、自身の証拠金維持率を理解することで安全な取引をすることができますよ。
うまくリスクコントロールし、取引を進めていきましょう。